骨折の原因と予防について
骨折の主な原因とその予防
骨折の主な原因には、外傷による骨折、疲労骨折、脆弱性骨折、病的骨折があります。
外傷による骨折
骨折の多くは外傷によるものであり、転倒や高所からの転落、交通事故など比較的大きな外力がかかることで生じます。四肢のあらゆる部位で起こりますが、特に関節に近い骨折は、関節の動きが悪くなる可能性が高く、治療に難渋します。また、骨盤の骨折は、骨折によって大量に出血するため命に関わります。
突発的な怪我や事故は、避けることが難しいかもしれませんが、筋力の向上や運動前の十分なストレッチなどが予防になります。
突発的な怪我や事故は、避けることが難しいかもしれませんが、筋力の向上や運動前の十分なストレッチなどが予防になります。
疲労骨折
1回の大きな外傷で起こる骨折とは異なり、骨の同じ部位に繰り返し加わる小さな力によって、骨折を起こします。好発部位は、足の甲の骨やすねの骨で、運動時に痛みを伴います。筋力不足やアンバランスな筋力、未熟な技術、体の柔軟性不足、オーバートレーニングなどが原因と考えられます。
予防には、過度なトレーニングをおこなわないことや、同じ部位にストレスが集中するのを避けることが大切です。
予防には、過度なトレーニングをおこなわないことや、同じ部位にストレスが集中するのを避けることが大切です。
脆弱性骨折
骨量の減少や骨質の劣化によって骨強度が低下し、軽微な外力で生じる骨折です。転んで手をついた、重いものを持ち上げた、尻もちをついたなどで骨折を起こします。日本では高齢化に伴い、その数は年々増加傾向です。
予防に関しては、骨密度を測定し骨粗鬆症の治療をおこなうことが大切です。また、高齢者はいつのまにか日常生活の動作能力が低下しているため、自身が転倒しやすいのかどうかを知ることが重要です。
予防に関しては、骨密度を測定し骨粗鬆症の治療をおこなうことが大切です。また、高齢者はいつのまにか日常生活の動作能力が低下しているため、自身が転倒しやすいのかどうかを知ることが重要です。
ロコモティブシンドローム診断
1項目でも該当すれば、運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態(ロコモティブシンドローム)の可能性があります。
①片脚立ちで靴下がはけない
②家の中でつまずいたりすべったりする
③階段を上がるのに手すりが必要である
④家のやや重い仕事が困難である(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)
⑤2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である(1リットルの牛乳パック2個程度)
⑥15分くらい続けて歩くことができない
⑦横断歩道を青信号で渡りきれない
病的骨折
病気のために骨がもろくなり、軽微な外力で骨折を起こすことがあります。がんによる骨折と非定型骨折が代表的で、がんによって骨が溶けたり、骨粗鬆症治療薬の骨吸収抑制薬が関連して、逆に骨が弱くなることがあります。
予防は困難で、もともとの病気の治療をおこなうことが大切です。骨折しそうになると痛みを伴うことが多いため、痛みがある場合は病院を受診し、早期に診断をつけることが重要です。
予防は困難で、もともとの病気の治療をおこなうことが大切です。骨折しそうになると痛みを伴うことが多いため、痛みがある場合は病院を受診し、早期に診断をつけることが重要です。
コラム執筆
一宮西病院
整形外科医長 / 四肢・骨盤骨折治療センター長
近藤 陽
愛知県一宮市出身。2012年、三重大学卒業。桑名東医療センターで初期研修後、海南病院、いなべ総合病院を経て、一宮西病院。帝京大学医学部附属病院にて国内留学も経験している。
趣味はスポーツ(特にテニス)。
⇒プロフィールの詳細はこちら
整形外科医長 / 四肢・骨盤骨折治療センター長
近藤 陽
愛知県一宮市出身。2012年、三重大学卒業。桑名東医療センターで初期研修後、海南病院、いなべ総合病院を経て、一宮西病院。帝京大学医学部附属病院にて国内留学も経験している。
趣味はスポーツ(特にテニス)。
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※本ページに掲載されている情報は、2023年8月時点のものです。