やけどの対応
あたたかいものを身近に置きたくなる寒い時期。やけどが増えてくるのも、この季節からです。
やけどをしたとき、ご家庭でどのように対応すればよいのかについてお話しします。
やけどをしたとき、ご家庭でどのように対応すればよいのかについてお話しします。
まずは冷やす
やけどをしたら、まず最初にするのは冷やすことです。衣服や指輪などの装飾品ごとやけどをしてしまった場合は、そういったものを外してから冷やします。この際、やけどした部分に氷水や氷を直接かけてしまうと、痛みややけどの深さが強くなってしまうため、水道水を使用します。最適な水温は12℃ですが、痛みが和らぐまで冷やすことは効果があるといわれています※1。流水を使うことが難しいときは、湿ったガーゼを当てることでも代用できます。冷やす時間は20分程度を目安にしましょう。
応急処置
顔以外の場所であれば、ラップのようなフィルム材を巻いておくと、痛みが減るだけでなく、乾燥を防ぐことができます※2。その際は締め付けすぎないようにして、やけどの部分を覆うように巻きます。
痛み止め
小さなやけどでも痛みが強いときには、痛み止めを使います。使用する痛み止めは、普段使っているものがあればそれを使用します。お子さんの場合は小児用の解熱鎮痛薬がよいです。
痛みが強い場合は、病院で追加のお薬をもらうことで対応できます※3。
やけどをした手や足を心臓より高い位置にあげておくと、翌日以降の痛みと腫れを軽くすることができます。
痛みが強い場合は、病院で追加のお薬をもらうことで対応できます※3。
やけどをした手や足を心臓より高い位置にあげておくと、翌日以降の痛みと腫れを軽くすることができます。
やけどにハチミツ？
古来よりやけどをしたらハチミツを塗ると、痕も残らず治ってしまうということが伝わっています。紀元前8000年ごろの洞窟の壁画には、ハチミツを収穫する様子が描かれているようです。
特に軽度のやけどに対して、ハチミツは効果が抜群であったことが最近の研究によってわかっています。やけどにハチミツを塗った場合は、銀を用いたやけどの塗り薬(スルファジアジン銀)と比較して、抗菌性が高いばかりか、やけどが治るまでにかかった時間は5.76日短縮※4し、瘢痕(傷あと)や拘縮(縮んだ皮膚による突っ張り)なく完全に治癒したのは、ハチミツが81%、スルファジアジン銀は37%であったと報告されました※5。
医薬品よりも高い効果があることが科学的に明らかになった背景もあり、海外などではやけどの治療用に最適化されたハチミツが販売されています。
【注意】ハチミツの使用は原則1歳以上となっています。
特に軽度のやけどに対して、ハチミツは効果が抜群であったことが最近の研究によってわかっています。やけどにハチミツを塗った場合は、銀を用いたやけどの塗り薬(スルファジアジン銀)と比較して、抗菌性が高いばかりか、やけどが治るまでにかかった時間は5.76日短縮※4し、瘢痕(傷あと)や拘縮(縮んだ皮膚による突っ張り)なく完全に治癒したのは、ハチミツが81%、スルファジアジン銀は37%であったと報告されました※5。
医薬品よりも高い効果があることが科学的に明らかになった背景もあり、海外などではやけどの治療用に最適化されたハチミツが販売されています。
【注意】ハチミツの使用は原則1歳以上となっています。
出典
※1)Pushkar NS, Sandorminsky BP. Cold treatment of burns. Burns Incl Therm Inj. 1982 Nov;9(2):101-10.
※2)British Burn Association Initial Management of Ocular Burns Clinical Practice Guideline.
※3)Ulmer JF. Burn pain management: a guideline-based approach. J Burn Care Rehabil. 1998 Mar-Apr;19(2):151-9.
※4)Aziz Z, Abdul Rasool Hassan B. The effects of honey compared to silver sulfadiazine for the treatment of burns: A systematic review of randomized controlled trials. Burns. 2017 Feb;43(1):50-57.
※5)Lindberg T, Andersson O, Palm M, Fagerström C. A systematic review and meta-analysis of dressings used for wound healing: the efficiency of honey compared to silver on burns. Contemp Nurse. 2015 Oct-Dec;51(2-3):121-34.
※1)Pushkar NS, Sandorminsky BP. Cold treatment of burns. Burns Incl Therm Inj. 1982 Nov;9(2):101-10.
※2)British Burn Association Initial Management of Ocular Burns Clinical Practice Guideline.
※3)Ulmer JF. Burn pain management: a guideline-based approach. J Burn Care Rehabil. 1998 Mar-Apr;19(2):151-9.
※4)Aziz Z, Abdul Rasool Hassan B. The effects of honey compared to silver sulfadiazine for the treatment of burns: A systematic review of randomized controlled trials. Burns. 2017 Feb;43(1):50-57.
※5)Lindberg T, Andersson O, Palm M, Fagerström C. A systematic review and meta-analysis of dressings used for wound healing: the efficiency of honey compared to silver on burns. Contemp Nurse. 2015 Oct-Dec;51(2-3):121-34.
コラム執筆
一宮西病院 総合救急部 救急科
部長
安藤 裕貴
2008年、富山大学卒業。富山大学附属病院･富山県厚生農業協同組合連合会高岡病院で初期研修後、福井大学医学部附属病院にて後期研修。福井市立敦賀病院、名古屋掖済会病院を経て、2018年より一宮西病院。
⇒プロフィールの詳細はこちら
部長
安藤 裕貴
2008年、富山大学卒業。富山大学附属病院･富山県厚生農業協同組合連合会高岡病院で初期研修後、福井大学医学部附属病院にて後期研修。福井市立敦賀病院、名古屋掖済会病院を経て、2018年より一宮西病院。
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※本ページに掲載されている情報は、2020年11月時点のものです。
